つくることは壊すことから始まる。そして壊すということは捨てるということでもある。
今ではもう生産されなくなった仕上げ材が大きなバールで剥がされ、丁寧に作られた建具や家具がコンテナに投げ込まれる。重機が入り、長年誰かの暮らしを守ってきた建物が静かに土に沈む。たくさんの現場に関わるようになって、埃をかぶったそこに息を呑むような美しいものがあることに気づいた。もちろん全てを拾い集めることはできないのだけど特に光り輝くものを工房に持ち帰り磨いて保管するようになった。
真逆のことを言うようだが、「古いものや古材が無条件に素晴らしい」とは思っていない。新しいもの、新建材と言われるものにもそれにはそれの良さがあり、便利であるということは代え難いメリットである。それと同じように古いものには新しいものにはない魅力がある。今とは違う時代背景、人が繋いだストーリー。できるならその物語は同じ人や家族に繋いでほしいという思いがある。値札がついている古材にどうしても少しだけ違和感がある。
だからこそ、いつか来る出番を待ち続けるその「もの」たちを、ほんとうはすべてこの手で次のひとのもとへ作り替えてあげたい。ずっとそう思ってきたのだけど、時間も機会も有限。いつまでもここで眠らせてしまうのはいちばん「勿体ない」よなと、stock yard もの屋 という計画を立てたのはまた別の話。