空間と音の響きは密接な関係がある。

天井が高い部屋、細長い部屋、窓のある部屋、地下にある部屋。どれも大きく違う。そして建物の造り、内部の構造もそうだし仕上げ材の種類によっても、全く別のものになる。

ライブハウスやスタジオだけが、音楽の場所ではない。キッチンで包丁を叩く音や、子供が廊下を駆ける足音も、立派な生活のアンサンブルだ。適度に音が回り、気持ちのよい低音が残り、高音が軽やかに抜けていく空間は、そこにいる人の心を自然と解きほぐす。

音というものが、騒音やトラブルの原因とカテゴライズされやすい昨今、音が健やかに鳴り響く場所には、自ずと健やかな暮らしが宿るものだと、私は確信している。

人の体に届く光や空気、そして音、目に見えるもの耳に聞こえるもの肌で感じるもの、そのすべてがそこにいる人のそれぞれのステージを支え、照らすのだろうと思うのだ。